開催概要
対象
安全、製造、生産技術、総務、経営企画、リスクマネジメント等のスタッフ、管理者および経営幹部の方
開催趣旨
わが国の産業界は、市場・生産拠点のグローバル化、高度で複雑なIT利用、熟練技術者の退職等の人材
不足。取り巻く環境の変化により、開発・生産の効率化、品質維持等の観点において多くの課題を抱えてい
ます。加えて、異常気象や地震による甚大な被害は、産業界にかつてない影響を残す結果となりました。
この状況下において、企業では、安全管理システムの再構築、自然災害、疾病、ヒューマンエラー、事業
継続計画の構築等、様々なリスク・課題に曝されており、社会的信頼確保の観点からもこれらのトラブル
への万全の対策が急務とされています。
本シンポジウムは、産業界における災害・事故の予防ならびにトラブル後の事業継続のための対策等に
関する重要課題をテーマとして取りあげ、産業界全体の安全対策、リスク対応力の向上に寄与することを
ねらいとして開催いたします。
プログラム概要
プログラムの詳細、関連情報などはホームページにてご案内いたします。
https://school.jma.or.jp/anzen/
プログラム
C:コーディネータ S:スピーカ P:パネリスト(敬称略)
2021年2月16日(火)10:00~13:00
S1 製造・輸送・廃棄におけるリスクアセスメントとリスクマネジメント
C: 板垣 晴彦 労働者健康安全機構 労働安全衛生総合研究所 化学安全研究グループ 部長
1 事業エリアが広域にわたる鉄道事業者におけるリスクアセスメント手法の開発とその展開
・JR東日本の安全計画の推移とコンセプト
・列車運行に関する安全上のリスクアセスメント手法のご紹介
~未来予測型の安全対策の推進に向けて~
・リスクアセスメントを実施するための体制づくりと、リスクアセスメント結果の活用に向けて
S:吉留 和宏 東日本旅客鉄道株式会社 JR東日本研究開発センター 安全研究所 研究員(主席)
2 リスクベースプロセス安全情報に基づく保安・保全
・英国原子力セーフティケース技術からリスクベースプロセス安全(RBPS)管理に必要な要件を紹介
・RBPSマネジメントを効果的に回すための組織マネジメントフレームワークの紹介
・上記2点の観点からRBPS情報を集約し保安・保全マネジメントに展開できるフレームワークを提案
S:田邊 雅幸 日揮グローバル株式会社 プロセステクノロジー本部 テクニカルHSE部 グループマネージャー
3 資源リサイクル事業における安全に関する現状
・資源リサイクル事業の概要 ・災害発生状況と安全への取り組み
・安全への取り組みの推進で得られた成果
S:早川 昌希 株式会社エコネコル エンジニアリング部 部長
2021年2月16日(火)14:00~17:00
S2 ウイズ・アフターコロナを見据えた産業安全の方向性
― ニューノーマル時代の現場安全を確保するために ―
C: 榎本 敬二 株式会社テクノ中部 企画部 専任副部長(SDGs・かいぜん担当)/ 異業種交流 安全研究会 幹事
1 新型コロナウイルスと病院における感染防止対策のあり方
-製造業への提言も含めて-
・新型コロナウイルス感染症の疾患の整理と一般的な感染防止対策
・病院で行われている新型コロナウイルスを始めとする感染防止対策
・製造業に求められる事業を継続させるための感染防止対策
S:金井 信一郎 信州大学 医学部附属病院 感染制御室 副室長
2 モノづくりの原点から考える未来へ紡ぐ
「TBが考えるスマート工場」
・スマート工場の実現に向けた取り組み
・コロナ禍におけるモノづくりの対応
・将来に向けたモノづくりの取り組み
S:野々部二三夫 トヨタ紡織株式会社 生技管理部長
3 コロナ禍における
電力の安定供給とデジタル発電所への変革
・コロナ感染予防体制と具体的な対応策
・アフターコロナを意識した働き方改革
・デジタル発電所への変革
S:中島 伸幸 株式会社JERA O&M・エンジニアリング本部 新名古屋火力発電所長
2021年2月17日(水)10:00~13:00
S3 新しい安全マネジメントの考え方とその実践
― レジリエンスエンジニアリングからマインドフルネスまで ―
C: 鳥居塚 崇 日本大学 生産工学部 教授
1 レジリエンスエンジニアリングに基づく新しい安全マネジメント
・事故やエラーを防止することだけに注力した安全マネジメントが行き詰まりをみせている現状を分析する
・レジリエンスエンジニアリングの基本的な考え方を解説する
・レジリエンスエンジニアリングに基づく新しい安全マネジメントおよび教育・研修を紹介する
S:芳賀 繁 株式会社社会安全研究所 技術顧問 立教大学 名誉教授
2 チームに求められるノンテクニカルスキルと心理的安全性
・安全を支えるノンテクニカルスキルと心理的安全性
・心理的安全性を高めるリーダーシップ行動
・チームの「学習」と心理的安全性
S:山内 桂子 東京海上日動メディカルサービス株式会社 メディカルリスクマネジメント室 特別講師
3 マインドフルネス
-組織のレジリエンス、心理的安全性との関連-
・マインドフルネスのあり方
・マインドフルネスと組織のレジリエンスとの関係
・マインドフルネスと心理的安全性との関連
S:佐渡 充洋 慶應義塾大学 医学部 精神・神経科学教室 専任講師
2021年2月17日(水)14:00~17:00
S4 自然災害と危機管理
C: 佐伯 陽一 旭化成株式会社 環境安全部 保安防災グループ アドバイザー
1 大規模災害時における産業安全に関わる危機管理の課題
~過去災害の教訓に学ぶ~
・過去の災害における産業安全を脅かす被害と対応
・災害に立ち向かうための産業レジリエンスの強化
・産業安全における状況認識の統一と危機管理強化
S:田村 圭子 新潟大学 危機管理本部 危機管理室 教授
2 自然災害リスク低減に向けた損害保険業界の取り組み
・近年の自然災害に対する損害保険業界の対応(保険金お支払い状況他)
・自然災害リスク低減のご支援
(事前のロスプリベンション、事後の早期復旧支援:ドイツ・ベルフォア社)
・国内外における対策事例
S:青木 正幸 東京海上日動リスクコンサルティング株式会社
企業財産本部 企業財産リスク第二ユニット ユニットリーダー
3 東京ガスの地震防災対策
・都市ガス事業の概略
・東京ガスの非常事態への備えと地震防災対策
・ガス小売全面自由化後の保安・防災対策
S:土師 正聖 東京ガス株式会社 防災・供給部 防災Gr 課長
2021年2月18日(木)10:00~13:00
S5 現場の安全を強化するための人づくりと体感安全教育
C: 新井 充 東京大学 名誉教授
1 元気な職場をつくる実践的安全教育の進め方
・形骸化した安全活動からの脱却
労働災害の減少傾向が鈍化。活動全般の見直し、特に教育訓練は重要
・教育訓練は企業活動の根幹
教育訓練は実施しているが、表面的な内容が多い。腹落ちする進め方は?
・安全巡視は人を育てる活動
指摘合戦、やらされ感一杯の巡視から脱却して、ありがとうと言われる巡視へ
S:古澤 登 安全と人づくりサポート 代表
2 「体感」「体験」「体得」をコンセプトとした安全考動センターの全社員安全教育
・安全考動センターの紹介 ・安全教育のコンセプト ・教育内容の評価と見直し
S:佐野 隆英 東京電力ホールディングス株式会社 安全推進室 安全考動センター
3 現代のエアラインパイロットのためのEBT(Evidence-based Training)の導入
・現代のエアラインパイロットに必要な能力と訓練
・世界の趨勢となるEBTの導入とその背景
・EBTの特徴と効果
S:豊田 隆一 日本航空株式会社 運航訓練審査企画部 担当部長
4 危険体験教育の課題と今後の展望
・職場における災害防止対策が進展し、「より安全に」が実現
・一方で、身近な危険が潜在化し直感的な把握が困難に
・危険感受性の向上を図る危険体験教育には、一定の効果がある一方で、さらなるリスクも懸念される
S:中村 隆宏 関西大学 社会安全学部 副学部長・安全マネジメント学科 教授
2021年2月18日(木)14:00~17:00
S6 海外プラントにおける安全、安全教育
C: 内藤 幸宏 大同特殊鋼株式会社 安全健康推進部 部長
1 グローバルでの安全推進と安全文化構築に向けて
・トヨタのグローバルでの安全推進の取組み
・展開や実践での苦戦とその対応
・更なる自立化と安全文化の深化に向けて
S:永見 孝 トヨタ自動車株式会社 安全健康推進部 部長
2 海外事業所における安全教育
・国内外の三井化学グループ各社に展開している三井化学技術研修センターでの体験・体感型研修の紹介
・現地での研修として、出前研修、海外研修委託先での研修、教育サポート、自習教材の提供についての紹介
・最近の動向として、コロナ感染対策と現在開発中の海外向けWeb研修についての紹介
S:辰巳 雅彦 三井化学株式会社 生産・技術本部 安全・環境技術部 技術研修センター長
3 海外プラント建設工事における安全管理とVRを使った安全教育
・海外プラント建設現場における日揮グループの安全管理の取り組みの紹介
・海外建設現場の危機感や臨場感を体験するために、仮想現実(VR)を利用した安全教育システムを開発
・VRには振動や風圧、疑似墜落等の多種類の感覚を体感する機能に加え、不安全を見つけ出す学習機能を付加
S:杉本 亨 日揮ホールディングス株式会社 品質・安全・環境部 コーポレートHSE マネージャー
2021年2月19日(金)10:00~17:00
S7 活き活き職場が創る安全文化 ― 事故防止・生産性向上への 効果 ―
C: 高野 研一 慶應義塾大学大学院 システムデザイン・マネジメント研究科 教授
【基調講演】
エンゲージメントや組織活力を高め、自律的な職場の創生が安全文化(8軸)を成熟させる
・組織文化とリーダーシップの関係性 ・人の自律性を引き出すリーダーシップ
・ポジティブコミュニケーションでより受容的な関係を創る
S:越膳 哲哉 株式会社ジェック 専務取締役
1 JR東日本の現場力向上の取組み
・JR東日本の「グループ安全計画2023-『進化』と『変革』」
・仕事の本質の理解、徹底的なリスクの掘り起こし、うまくいっていることにも着目
・社員の「自ら考え自ら行動する力」をどう高めていくか
S:楠神 健 東日本旅客鉄道株式会社 JR東日本研究開発センター 副所長(ヒューマンファクター)
2 組織文化の活性化 ~花王ウェイの実践と組織力向上策~
・花王ウェイ(企業理念)の浸透と実践
・社員意識調査による、より良い組織と職場環境づくり
・SCM部門としての取り組みと今後の課題
S:鈴木 清 花王株式会社 SCM部門 SCM推進センター長
3 社員がお互いに感謝・リスペクトし合いながら、安心して働ける環境を整備
・創業時から貫き伝えてきた精神 ~ANA'sWay~
・感謝・リスペクトし合う仕組み ~Good Jobプログラム~
・日常化・習慣化で、ANAグループらしさに
S:高野 弘樹 全日本空輸株式会社 人事部 担当部長
ディスカッション(60分)
【現場主体の取り組み例】
4 TESSEIの現場力向上への取り組み
・これまでの歩み ~“変化点”と“変革”への道のり~
・仲間との“信頼”と“共感”をよい仕事につなげるために
・現場力を発揮し続けるために
S・P:小島 清 株式会社JR東日本テクノハートTESSEI 東京サービスセンター次長
5 工場における安全文化の醸成への挑戦
・花王 SCM部門の安全防災管理組織体制
・工場における安全文化の醸成活動紹介
・今後のアプローチ
S・P:山下 暢久 花王株式会社 SCM部門 SCM推進センター 安全・防災グループ部長
6 ANA グループ整備部門におけるアサーション文化の醸成について
・ANAグループ整備部門の持続成長を支える3つの柱
・整備部門におけるアサーション活動の意義
・アサーション文化醸成に向けた各部署自律的な取り組み紹介
S・P:鍋島 哲 全日本空輸株式会社 整備センター 業務推進部 アシスタントマネジャー
7 パネルディスカッション(60 分)
プログラム内容(講演テーマ・スピーカ・パネリスト・講演の順番等)は変更になる場合がありますので予めご了承ください。