セッションプログラム

新着情報
2017.12.6
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 コーディネータ   スピーカ (敬称略)

2018年2月20日(火)10:00~13:00

S1
産業安全 事故分析と対策
中村  順
公益財団法人総合安全工学研究所 事業部 事業部長
1
最近の高圧ガス関係の事故事例紹介
  • 高圧ガス事故統計について
  • 平成28年度に発生した重大事故(B級以上)
  • 高圧ガス事故事例
篠田 康則
高圧ガス保安協会 事故調査課 兼 高圧ガス課 兼 保安業務課
2
潤滑油製造装置火災の教訓と対策
~腐食管理の改善、リスクアセスメントの質向上、及び住民避難の検証~
  • 火災事故の概要
  • 直接原因とその対策
  • 間接原因とその対策
  • 火災前に行っていたリスクコミュニケーション
鈴木 大太郎
JXTGエネルギー株式会社 和歌山製油所 副所長
3
事故事例の活用による化学プラントの安全対策
  • 事故調査の重要性
  • 失敗の連鎖
  • 技術者の役割
中村  順
公益財団法人総合安全工学研究所 事業部 事業部長
 
 事故は単純な原因で起こるのではなく、気づかない失敗の連鎖の結果で起こります。プラントが複雑になり、事故・トラブルの経験が減少する中で、他での事故事例をどのように自社の安全に生かしていくかが重要になってきています。
 本セッションでは、事故について事故調査委員会にも参画されて調査・解析をされておられるKHK事故調査解析委員会の成果について報告いただきます。
 また、最近の化学工場の事故については、詳細な事故調査報告書が公開されてきております。その中で、腐食穿孔による内部流体の漏えい火災及び、タンク内の堆積スラッジの自然発火火災事故について調査結果と対策について報告いただきます。リスクとして考慮されていたにもかかわらず、事故に至った経緯について調査され、貴重で有益な事故調査報告として紹介いただきます。
 こうした事故調査報告書やその関連資料として、SDS、特許情報などの見方・読み方を説明し、どこに問題があったかや、どのようにして安全に生かしていくかについて解説します。

2018年2月20日(火)14:00~17:00

S2
安全文化、これからの展望 ~その方向性とgood practice
高野 研一
慶應義塾大学大学院 システムデザイン・マネジメント研究科 教授
1
保安力評価における安全文化
  • 保安力評価の現状
  • 安全文化の傾向
  • 安全文化の改善
若倉 正英
保安力向上センター センター長
2
職務規律の改善による安全文化の強化
  • 恒久的安全を目指す当社の取組み
  • デュポン式プロセス安全管理システム(PSM)
  • 職務規律の評価と改善
山本 芳正
三井・デュポン ポリケミカル株式会社 生産保安部 保安環境グループ
グループリーダー
3
安全と品質は企業活動の根幹であり、マネジメントそのもの
  • 災害は職場の問題の代表特性である
  • 最悪の事態を想定する訓練と活かし方
  • モノづくりは人づくり
古澤  登
安全と人づくりサポート 代表
 
 設備災害および労働災害を防止するための組織の基盤としての安全文化については、多くの企業で認識されるようになってきました。この先、安全文化のさらなる深化とそれがもたらす成果について、考えられる展望について議論することが重要です。その一つとして、安全文化と安全基盤から構成される保安力の自己評価がここ数年行われており、その成果や現状について紹介いただき、今後の展開や期待される成果について議論することが望まれます。
 また、これまで、長年に渡る現場での安全性向上に向けた様々な活動や努力を踏まえた上で、今後の方向性を探ることも重要であり、まさに安全哲学をどのように組み立てていくべきかについて考えます。
 安全文化の基盤は、組織、職場、個人の各レベルで自問自答することで深まっていきます。我が国では、組織の安全文化は、「自ら問題意識を持ち、それを共有し、職場で自ら自律的に実行することで組織的に展開していく」とする自律的安全活動が有効に機能してきました。このような安全活動や取組みについて、good practiceを幅広く紹介いただき、皆で共有していきます。

2018年2月21日(水)10:00~13:00

S3
産業の合理化・効率化・自動化と安全
野本 泰之
日揮株式会社 プロセステクノロジー本部 テクニカルHSE部 チーフエンジニア
1
人間の役割の再確認:安全へのポジティブな寄与の重要性
  • Safety-Ⅱの考え方とその背景
  • 安全確保における人間の寄与の重要性とGood Practiceの例
  • 最適化とレジリエンスの関係
高橋  信
東北大学大学院 工学研究科 技術社会システム専攻 教授
2
トヨタの自動化時の安全対応
  • 隔離&停止を基本とした保護方策の取り組み
  • 隔離&停止不要の本質安全化の取り組み
  • 「協働ロボット」への対応
星野 晴康
トヨタ自動車株式会社 安全健康推進部 安全衛生室 技術G 主幹
3
ダイセル生産革新と安全性
  • ダイセル生産革新の概要
  • 運転標準化の取り組み
  • 教育訓練センターでの人材育成の取り組み
田渕 丈晴
株式会社ダイセル 生産技術本部 生産革新センター 所長
 
 産業界では国際競争力の強化・多様な顧客のニーズを満足するために、各企業は合理化・効率化・自動化に取り組んでいます。一方、合理化・効率化・自動化を進めて行くと、安全が損なわれたり、思いもよらぬ新たな危険が生まれたりする事があります。
 このセッションでは、「トヨタ生産方式」、「ダイセル式生産革新」を取り上げ、その両社が、その改善運動・生産システム革新を進めていく上で、どの様に安全を考慮しているかの事例を解説します。
 また、近年のシステム技術・情報技術の発展に伴い、安全性という観点から、「技術が適切に機能するためには、人間(または組織)が、余分な変動要素を吸収できるバッファーとして機能しなければならない」という考え方を中心に、“学”の立場から、産業システムにおける人間の役割を再確認します。
 このセッションを通して、参加者各位は、ご自身の合理化案・問題点と照らし合わせて、安全について考え、安全確保を達成するヒントを得ることが出来るでしょう。

2018年2月21日(水)14:00~17:00

S4
進化するICTと安全のスマート化
榎本 敬二
中部電力株式会社 発電カンパニー 知多火力発電所 所長
1
モバイル端末とデータ解析技術を活用した運転員の業務高度化の取組
  • モバイル端末を活用したIoT活用ユースケース
  • 現場運転員の業務の将来像
秦 央彦
アクセンチュア株式会社 素材・エネルギー本部 シニア・マネジャー
2
人の暮らしや仕事を活き活きさせる人工知能 ~人工知能が実現する未来に向けて~
  • 日立がめざす人工知能が浸透した未来の社会について
  • 日立で取り組んでいる人工知能のご紹介
  • 人工知能の業務への適用事例と適用イメージ
杉山 和仁
株式会社日立製作所 サービスプラットフォーム事業本部
デジタルソリューション推進本部 AIビジネス推進部 担当部長
3
町工場でも成果の出せるIoTによる生産性と安全性向上
  • 安価で使いやすいIoTモニタリングシステムを構築した経緯
  • 成果を出すためのマネジメント上の工夫
  • 成果と今後
黒川 龍二
i Smart Technologies株式会社 執行役員COO /
旭鉄工株式会社 コンサル事業部長
 
 製造業をはじめとする「ものづくり」企業がグローバルな競争の中で勝ち残るためには、高いレベルの生産性や品質を実現し、さらに高めていくことが必須となっており、近年では加速的に進化するIoTやビッグデータ、AI等のICTの積極的かつ効果的な活用の成否が勝敗を左右しつつあると考えられます。
 一方で、生産プラントの老朽化や熟練技術者の引退等に起因する事故の増加や、激しさを増す自然の脅威も懸念され、保安力の強化やスマート化の視点でもICTの活用は必要不可欠となっています。しかしながら、ICTを活用したくても、その導入に必要な投資に尻込みしている企業も多く、また今後の働き方の変化に不安を抱えている例も多いと考えられます。
 そこで本セッションでは、ICTの先進的な活用事例や将来像のご紹介に加え、低コストでIoTを導入し大きな成果を挙げている例やそのノウハウもお示しし、今後のICTの活用と安全のスマート化の方向性について、働き方の変化についても視野に入れて議論を進めたいと考えます。

2018年2月22日(木)10:00~13:00

S5
リスクアセスメント・リスクマネージメント
~ものづくりの安全・安定操業のために~
小澤 謙二
トヨタ自動車株式会社 安全健康推進部 部長
1
定量的リスクアセスメントに基づくプラント設計
  • プラント設計段階で行われている定量的リスクアセスメント
  • アセスメント結果の活用(設計への影響/反映)
  • 定量的リスクアセスメントに基づくプラント設計の注意点
原  信幸
日揮株式会社 プロセステクノロジー本部 テクニカルHSE部
エンジニアリングHSEグループ リーダー
2
セーフティケース制度を適用したプロセスセーフティ管理
  • プロセスセーフティ管理の取り組み
  • セーフティケース制度について
  • リスクマネジメントの取り組み
中嶋 丈嘉
国際石油開発帝石株式会社 HSEUプロセスセーフティG
3
重大災害から見たリスクマネジメント
  • 製造現場の変化
  • リスクアセスメントと変更管理の課題
  • 工学システムにおける安全目標の考え方
中村 昌允
東京工業大学 環境・社会理工学院
イノベーション科学系・技術経営専門職学位課程 特任教授
 
 「ものづくり」を中心とした基盤産業は、我が国のあらゆる経済領域の根幹です。
 しかしながら近年では、大量の定年退職や労働力の減少・高齢化、国際競争の一層の激化など、我が国のものづくりは厳しい局面を迎えています。
 我が国のものづくり産業が今後も競争力を維持・発展させるためには、製品の安全・安定供給が必要不可欠なのは言うまでもありません。そのためには、生産現場で事故・災害等の様々なリスクを事前に徹底評価し、未然防止を図るとともに、有事においても従業員や周辺地域ならびに経済活動に与えるインパクトを最小化するための迅速・的確な対応を策定しておくことも必要となります。
 そこで本セッションでは、プラント設計時の火災・爆発・漏洩などの災害防止のための定量的なリスクアセスメント活用について紹介していただくとともにプラント操業における安全・安定を達成するための企業でのリスクマネージメントの取り組み例を紹介いただきます。さらに過去の重大災害から見たリスクマネージメントの注意するポイントを紹介いただきます。

2018年2月22日(木)14:00~17:00

S6
ヒューマンファクターの視点による安全管理
~疲労マネジメントの考え方と実践~
鳥居塚 崇
日本大学 生産工学部 教授
1
疲労マネジメントによる産業安全対策とこれからの実践課題
  • 事業用自動車における疲労起因性の重大事故の原因を探り、疲労マネジメントとの関わりを追求します
  • 産業疲労研究では、負荷-負担-疲労モデルから疲労の特性の解明に当たってきました
  • 業務の負担軽減を多様に図ることが疲労マネジメントにとっての核心であることを示します
酒井 一博
大原記念労働科学研究所 所長
2
「生活レベルからの疲労管理」~JR西日本の取り組み~
  • 運転士の眠気防止に向けて
  • 生活リズムの改善
  • 睡眠環境の改善
阿部 啓二
西日本旅客鉄道株式会社 安全研究所 研究主幹
3
安全対策に活かす疲労マネジメント
  • 安全対策に活かす疲労研究の動向
  • work-lifeの相互作用と勤務間インターバル制度
  • 包括的アプローチによる疲労マネジメント
榎原  毅
名古屋市立大学大学院 医学研究科 環境労働衛生学分野 講師
 
 ここ数年のヒューマンエラー防止に関わるセッションでは,ヒューマンファクターを再考しようというトピックや、Safety IIやレジリエンスエンジニアリングにも着目しようというトピックが続きました。
 そこでこれまでの問題を整理し,安全上の主要なリスクとなり得る「疲労」に改めて着目することにしました。またそのアプローチも、作業中の疲労を軽減するにはどうすべきかといった従来の考え方ではなく、「疲労を上手にマネジメントしよう」というようにレジリエンスの考え方に則っています。この考え方はこれまでも一部では知られていましたが、例えば高速バス事故等のような疲労が要因となる大事故が増加したことで注目を浴びるようになってきました。
 そこで今回のシンポジウムでは、まず疲労マネジメントの考え方についての基礎的なレクチャーに続き、JR西日本が取り組んでいる日常の生活レベルからの疲労管理に関わる話題、さらに実際にいくつかの業界で取り組んでいる疲労リスクマネジメントに関わる話題を提供し、ディスカッションに繋げていきます。
 疲労マネジメントは、それぞれの事業所が抱える身近かつ難解な問題です。このセッションではそのような問題を解決する糸口を提供したいと考えています。

2018年2月23日(金)10:00~13:00

S7
安全教育 ~安全意識の向上に向けて~
天川 一彦
公益財団法人日本プラントメンテナンス協会 主幹研究員
1
JALグループにおける安全意識教育
  • 安全の取り組みの原点
  • 安全啓発センター
  • 三現主義に基づく安全意識教育
松下  透
日本航空株式会社 安全推進本部 運営グループ グループ長
2
鉄道安全考動館を活用した安全意識の向上
  • 原点である福知山線列車事故
  • 鉄道安全考動館での安全研修
  • 更なる安全意識の向上に向けた今後の「安全考動研修」の充実
冨本 直樹
西日本旅客鉄道株式会社 安全推進部 安全マネジメント戦略室 室長
3
体験・体感型研修の紹介
  • 三井化学 技術研修センターの紹介
  • 技術伝承教育のやり方
木原 敏秀
三井化学株式会社 生産技術本部 安全・環境技術部 技術研修センター
センター長
 
 安全活動の対象はもちろん、「人」です。いくら機械化を進めても、運転や作業をする人、保全をする人、など現場から人がゼロになることはありません。従って、安全に作業を行う上で、人を教育し訓練することが必須なことは、言うまでもありません。各社とも昔から育成に取り組み、安全意識を高め、安全成果を上げてきました。「もう、安全活動は腹一杯!」なんて安全担当者から声が聞こえてきそうですが、今回紹介する事例は、従来の取り組みに、もう一つ、工夫を加え、安全活動を進化させるヒントになるはずです。
 また、体験型教育も最近は各社とも盛んに行われていますが、今回の事例はその活動を振り返るチャンスにもなります。安全活動を進化させたいと思っている方、是非、ご参加いただき、職場安全活動の実践を進化させていこうではありませんか。

2018年2月23日(金)14:00~17:00

S8
安全教育 ~ノンテクニカルスキルの向上~
高橋  健
日本貨物航空株式会社 安全推進室 シニアマネージャー
1
組織レジリエンス向上のためのノンテクニカルスキル育成
  • 組織学習のための安全育成モデル
  • 組織レジリエンスを確立するためのレジリエンスマトリックス
  • 組織レジリエンス構築のためのPDCAサイクル
越島 一郎
名古屋工業大学 大学院工学研究科ながれ領域 社会工学専攻 都市社会工学科
教授
2
原子力発電所におけるノンテクニカルスキル向上訓練プログラム
  • 訓練プログラム設計の基本方針
  • 本訓練プログラムの特徴
  • 実際の訓練手法および評価手法
渋江 尚夫
一般財団法人電力中央研究所 原子力技術研究所
ヒューマンファクター研究センター 特定上席研究員
3
ノンテクニカルスキル発揮のための規律遵守性の向上
  • ノンテクニカルスキル発揮のための施策 ①
  • ノンテクニカルスキル発揮のための施策 ②
南川 忠男
旭硝子株式会社 千葉工場 環境安全部 保安管理グループ 主席
 
 一般的に“業務遂行に必要な能力”として、「知識」、「スキル」、「姿勢」の3つが必要といわれています。このうち、「スキル」については、機器の操作等の技術的なスキル(テクニカルスキル)と業務をより確実に遂行するためにテクニカルスキルをサポートするノンテクニカルスキルとがあります。テクニカルスキルについては、教育後の評価も確立されており、確実に身につけることができていると思います。一方、ノンテクニカルスキルについては、どのように教育し、どのように教育後の評価をするかなど、苦労しているのが現状ではないでしょうか。ノンテクニカルスキルには、コミュニケーションやリーダーシップなど、普段何気なく行っているものが含まれており、それだけに教育、評価が難しいともいえます。
 本セッションでは、ノンテクニカルスキルの必要性、それを身につけるために、どう教育するのかを御紹介していただきます。皆様がノンテクニカルスキル教育を考えるヒントを与えてくれる内容になるものと思います。
※プログラム内容(講演テーマ・スピーカ・講演の順番等)は変更になる場合がありますので予めご了承ください。