開催概要
参加対象
●新任の取締役や執行役員の方
●役員候補の方
●事業部長などの経営幹部の方
●経営者として必要な基礎知識を改めて学びたい方
開催にあたって
日本能率協会ではトップマネジメント(取締役・執行役員・経営幹部)の経営力向上が、企業活力や競争力向上のための最重要課題であるとの認識に立ち、トップマネジメント対象研修を35年以上にわたって実施してまいりました。これまで、10,000名を超える役員・経営幹部の方々が学ばれています。
加速度的に変化する経営環境において迅速な経営判断が求められる一方、企業活動に対する社会の眼は日に日に厳しくなっており、トップマネジメントには、より一層高い使命感・倫理観が求められています。また、グローバル化や社員の価値観・就業形態の多様化が進む中、明確なビジョンを組織に浸透させて実現する高いコミュニケーション能力や、組織・人材に対する深い洞察が必要です。
そのため、経営幹部としての考え方や役割についての認識を新たにするとともに、これからのマネジメトに必要な知識とスキルを、今改めてしっかりと身につけておく事が重要です。
本講座は、取締役・執行役員・経営幹部に必須の知識である、「リーダーシップ」「マネジメントリスク」「経営戦略」「財務・会計」のエッセンスを集約したプログラムです、また、新任役員の方が2日間で必須知識を集中して学んでいただくのに最適な内容です。
参加者の声
●今までの経験からなんとなく感じていたことを、体系的、論理的に学ぶことができて大変良かった。
●役員になって間もなかったため、導入として非常に勉強になる内容だった。
●役員になって意識改革が必要と感じていた中、基本部分と要点が2日間でカバーできており、また実例による説明が非常に役に立った。
●どのように会社の事業戦略を考えればよいか、着眼点を作る入門として良質な講座だった。
●各分野のプロフェッショナルな講師から実務経験を踏まえた具体的な内容を学べた。
プログラム
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項目 |
内容 |
1日目 10:00~18:30 |
0.オリエンテーション
経営幹部(取締役・執行役員)としての基本を学んでいただきます。 |
Ⅰ.これからの企業経営と全社的リスクマネジメント
会社との雇用契約を終了し、新たに委任契約を締結する立場の役員はこれまでの管理職とはリスク責任が質的に異なります。そこで全社的リスクマネジメント(ERM)の全体像を学び、特に近年の企業不祥事の事例を体系立った視点で考察し、今後の役員活動や取締役会等の会議運営へ反映して頂きます。
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【企業経営と全社的リスクマネジメント(ERM)】 |
・渋沢栄一「論語と算盤」に見る役員のタイプ
・企業経営の潮流(コーポレートガバナンスコード、ESG経営等)
・全社的リスクマネジメント(リスクの範囲、危機管理やBCP等との関連等)
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【近年の企業不祥事の事例から何を学ぶか】 |
・企業不祥事の分類(不正と過失、会社目的か自己目的か等)
・不祥事発生時の危機管理(二次災害を防ぐために)
・第三者委員会の設置と運営
・過失不祥事、不正不祥事の原因と予防策
・日本的悪しき慣習の「忖度」をどう防ぐか等
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【全社的リスクマネジメントの実践】 |
・進め方と体制(企業規模やグループ経営等に応じた)
・ビジョン、中期経営計画、内部統制との関連
・業務プロセス、管理制度との関連
・部門長、マネジャーのコンピテンシー、アセスメントとの関連
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Ⅱ.人材マネジメントにおける実践的リーダーシップの要点
本セッションは競争優位の源泉になる人材の力を活かすためのマネジメントのポイントとそれを実現する役員としてのリーダーシップについて解説します。上場企業で組織・風土改革、業績向上を実現した経営者の体験を通じて考察を深めます。 |
【経営資源としての「人」を考える人材マネジメントの要点】 |
・人間観を考える
・人材マネジメントの全体像
・モチベーションとインセンティブ
・積極的な高齢者活用と若手の人材育成
・日本の雇用の特徴
・社員満足を構成する要素
・経営者のモチベーション
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【実践的リーダーシップを考える】 |
・リーダーとリーダーシップの理解
・矛盾の克服とコミュニケーション力
・リーダーシップの求心力
・キヤノンCEOの変革型リーダーシップ
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2日目 9:30~17:00 |
Ⅲ.競争優位の経営戦略と事業創造
全体最適・将来最適を見据えながら、成長分野への投資など新たな打ち手とともに、構造も的確に変革していかなければなりません。限られた経営資源の配分と有効活用を考え、優先順位を決断する。本セッションでは、事業と経営戦略で役員に求められる視点を学びます。 |
【経営戦略とリンクした事業創造】 |
・価値観とステークホルダー戦略:経営戦略の前提
・ビジョンと経営戦略:戦略的視点の重要性
・ドメインの定義
・経営戦略と資源
・競争優位の戦略
・戦略策定のプロセス
・事業創造の戦略
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【ビジネスモデルの考え方】 |
・ビジネスモデルの意義
・ビジネスモデルの構造
・ビジネスモデルの編成原理
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Ⅳ.財務・会計の重要ポイント
企業価値の向上が求められる中、「財務や会計のことはよく分からない」では経営責任が果たせない時代 になってきています。本セッションでは適正な経営判断や経営行動が求められる役員にぜひとも知っておいていただきたい知識を重要ポイントにしぼり、分かりやすく解説します。 |
【利益測定の誕生から現在の財務報告制度まで】 |
・企業会計をめぐる3つの法律:トライアングル体制
・金融ビッグバンから会計ビッグバンへ
・会計基準の国際統合
・日本企業が採用する会計基準
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【財務諸表分析の視点と手法 収益性・生産性・安全性・不確実性・成長性】 |
・財務諸表で分析する5つの企業特性
・収益性の分析 2つの視点
・貸借対照表の仕組み
・有価証券の時価会計
・ROA(全社視点)とROE(株主視点)
・資産別の利用効率 資本回転率の検討
・生産性の分析 赤字企業の存在価値は?
・成長性の分析
・サステイナブル成長率 成長率を決める2つの要因
・成長性の分析
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【企業価値評価】 |
・株式価値評価モデル
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※プログラム内容、講義順番は都合により変更となる場合がございますのであらかじめご了承願います。
ご案内
講師
【講義Ⅰ担当】先読みのリスクマネジメントがサステナブルな企業価値創造を実現します
星野 芳昭 株式会社スター・ガバナンス代表取締役
ガバナンスコーチ
慶應義塾大学商学部卒。大手コンサルティング会社にて約30年間、上場企業や地方自治体の業務改革(業務プロセス、サプライチェーン、管理制度等)、組織改革、プロジェクト評価等に関わる。ここ15年は取締役会や経営会議メンバーに対するガバナンス研修やコーチングにも携わる。また不祥事発生時の第三者委員会にも関与。不祥事の深層原因をえぐり出し、心理的安全性を確保して、従来の規範の見直しと組織としての教訓を明らかにする手法を開発。昨今は新型コロナウィルスに対応したBCPの見直しや現場第一線への浸透に関わっている。
【講義Ⅱ担当】実践的リーダーシップを一緒に考えましょう
山﨑 啓二郎 元・キヤノン㈱ 締役人事本部長
法政大学専門職大学院 非常勤講師
オフィス.JKS 代表
1971年キヤノン㈱入社、生産管理、労組役員、欧州駐在(7年)を経て、海外人事課長、事業所総務部長、本社人事部長などを経験し、2004年取締役就任。情報通信システム本部長、人事本部長、総務本部長を担当し、2008年常勤監査役就任、2012年3月退任。
現在キヤノン顧問。2001年より人事革新プロジェクトのチーフを担当、役割給の導入、目標管理制度、人事評価制度の刷新、寮社宅制度の廃止などグローバル人事体系への道筋を構築。経営管理修士(MBA)
【講義Ⅲ担当】不透明な時代を生きぬくための経営戦略について考えましょう
金井 一賴 青森大学学長
大阪市立大学大学院都市経営研究科教授
神戸大学大学院経営学科研究科博士課程修了、弘前大学人文学部、滋賀大学経済学部、北海道大学経営学部、同大学大学院経済岳研究科、大阪大学大学院経済学研究科教授、大阪商業大学総合経営学部教授を経て2018年より現職。
日本ベンチャー学会会長、組織学会評議員、企業家研究フォーラム理事他多数の要職にある。
<研究分野>経営組織、経営戦略、企業家活動、ベンチャー創造とクラスター 等
<著書>「ベンチャー企業経営論」「大学発ベンチャー:新事業創出と発展のプロセス」「経営戦略一理論性・創造性と社会性の追及」 他
【講義Ⅳ担当】経営者に必須の数字を分かりやすく説明します
石川 博行 大阪市立大学大学院 経営学研究科 教授
神戸大学経営学部卒業、神戸大学大学院経営学研究科博士課程後期課程修了、博士(経営学)、大阪市立大学商学部専任講師、大阪市立大学大学院経営学研究科准教授を経て、2009年より現職。
<研究テーマ>会計情報を用いた企業分析と企業評価。企業活動が会計報告書にとりまとめられるプロセスと、それが株式市場に伝達されたときの経済的効果に関する理論的・実証的研究。配当や自社株買いといった株主還元の意思決定と、それらのペイアウトが株式市場にどのような影響を与えているのかについての理論的・実証的研究。
<主要著書>「配当政策の実証分析」、「株価を動かす配当政策-コロボレーション効果の実証分析」、「会社を伸ばす株主還元」等
定員
30名(5名に満たない場合は中止または延期する場合があります)
会場
クロス・ウェーブ梅田
〒530-0026
大阪府大阪市北区神山町1-12
TEL 06-6312-3200 FAX 06-6312-3111
交通アクセス
JR「大阪」駅南口改札から徒歩約15分
阪急「大阪梅田」駅から徒歩約13分
大阪メトロ御堂筋線「梅田」駅南口改札から徒歩約10分
大阪メトロ堺筋線「扇町」駅6番出口から徒歩約5分
JR「天満」駅から徒歩約8分