開催概要
開催目的
今日、電気・電子機器ならびに産業機械等は社会システムを構成する上で重要な要素となっています。エンドユーザが望む製品の急速な普及は、電気・電子製品の高度化・高付加価値化を促進し、それに伴う電気・電子・機械部品の技術革新は軽薄短小化、高容量・高機能化を可能とし、その普及に拍車をかけてきました。特に、製品の早期開発が求められる今日、開発・設計業務の流れの中で、製品安全設計・対策の不備による設計変更等は時間・コストのロスや製品に起因する事故を発生させてしまうことにより、製品の商品力やブランド、会社に対しての信頼性を大きく低下させる要因となります。このような状況下で、製品・部品の軽薄短小化による製品安全設計・対策は重要な技術課題となり、性能の劣化や部品・製品の信頼性ならびに安全性等の面で新たな展開を迫られています。こうした背景から、一般社団法人日本能率協会では電気・電子機器技術者として、製品安全と信頼性向上のための基本的な考え方や原理・原則を体得し、今後のクレームやトラブルを未然に防止するために何をしていくべきかを基礎知識と対応策などの事例を通じて学んでいただく場として本セミナーを開催いたします。
参加対象
・電気・電子機器の設計・開発に従事している技術者
・技術者として製品安全対策技術を習得したい方
・品質保証・製品安全対策部門で製品安全対策技術を学びたい方や学び直したい方
・故障や製品事故で困っている方
・社内安全体制を作りたい方
参加者の声
・注目するポイントは会社が異なっていても同じであることを痛感しました。
・設計思想を製品から見るのは純粋に面白かった。
・統計、具体例、動画により理解しやすく参考になった。現役でご活躍されている講師の言葉で情報が新しくて良い。
・実例が多く、講師の一生懸命さが伝わって来ました。内容も良く、特に部品個々の燃焼性に関しては勉強になりました。
本質的メカニズムを十分に把握し、データベース化していくよう、努力していきたいです。
・プラスチックの安全性についてはこれまで詳しく学ぶ機会がなかったため、大変役に立った。
プログラム
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項目 |
内容 |
1日目 総論 10:00~17:00 |
信頼性・安全性の現状と対応策 |
【1】製品事故の実態とその事例 |
・最近の傾向
・繰り返される製品事故
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【2】グローバルな生産体系における信頼性・安全性問題と対応策 |
・調達・生産グローバル化の現状と課題
・信頼性問題の具体例
・問題発生の原因と対策
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【3】電子機器の製造工程と品質不具合事例 |
・電子機器に対する期待と課題
・製造工程の管理と不具合対策
・使用・環境ストレスによる故障事例と対策
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【4】高品質を作り込む品質保証の仕組み |
・未然防止の重要性とその方策
・源流から品質を作り込む品質保証の仕組み
・不良ゼロにこだわる製造工程の管理・改善
・購入部品の品質確保
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【5】電子機器における発火防止の設計思想 |
・安全規格における発火源の定義
・電子部品の発火現象
・発火の連鎖を断ち切る
・バランスのとれた設計思想を目指す
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【6】サージ、過電圧から製品を守る |
・サージ、過電圧による電子機器の故障
・世界18か国のサージ、過電圧の測定結果
・再現試験、対策
・電気自動車、プラグインハイブリッド車への考察
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2日目 各論 10:00~17:00 |
信頼性・安全性の解析と作り込み技法 |
【7】解析技術の体系化と最新解析機器の適用 |
・解析手順と使用機器の体系化
・非破壊解析による故障箇所の可視化・絞り込み
・微細加工と物理解析による故障メカニズムの究明
X線透視/CT、SAT、LIT、IR-OBIRCH、FE-SEM/EBSD、XPS、FIB など
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【8】製品事故・故障の原因究明と弱点検出 |
・原因究明を成功に導くには
・市場で発生した製品事故・故障品の原因究明と対策
リード線、SMD薄膜ヒューズ、MLCC、パワーMOSFET など
・再現試験による電子機器の弱点検出
はんだ接続部、プリント配線板 など
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【9】電気・電子部品の発火メカニズム |
・故障の現象
・フィルムコンデンサ、アルミ電解コンデンサ、積層セラミックコンデンサ、タンタルコンデンサ
・バリスタ、電源スイッチ、ネジ締結部
・プリント配線板とはんだ付け
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【10】電気保護回路・保護素子の使い方 |
・電気保護素子の体系図
・電流ヒューズ、温度ヒューズ、サーモスタット
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【11】プラスチックの安全性 |
・電気現象でプラスチックの着火する事例
・プラスチックの安全性にかかわる課題
・燃焼試験、電気的特性
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※内容は、変更される場合があります。また、進行の都合により時間割が変わる場合がございます。
あらかじめご了承ください。
ご案内
講師
渡部 利範
㈱テクノクオリティー 代表取締役
元 キヤノン㈱ 品質本部 製品安全技術開発部 部長
経済産業省 製品安全対策優良企業審査委員会 審査委員
工学博士 技術士(電気・電子)
一般社団法人日本能率協会 専任講師
土屋 英晴
信頼性コンサルタント
㈱クオルテック 特別技術顧問
元 ㈱デンソー 電子事業部 電子製造部 電子1工場長
車載用電子部品の信頼性試験・故障解析、車載用電子機器の
設計・製造・検査等に従事
元 アンデン㈱ 第2品質保証部 部長
日本信頼性学会 理事、研究会運営委員長
故障物性研究会 主査
定員
40名(定員になり次第、締め切らさせていただきます)