特別インタビュー(1) その3
「日本の生産技術者だからできること」 |
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延岡健太郎
一橋大学
イノベーション研究センター長
教授
(敬称略) |
安部武一郎
一般社団法人日本能率協会
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-お客さまが求める価値をつくるのは難しいですか?
消費財に関しては簡単ではありません。商品企画力も必要ですし、才能も必要でしょう。
つくるのも本当に難しい。
それでも、それをうまくやっている会社はあります。
そういった事例も少しふまえて、生産技術者戦略会議でお話したいと思います。
-是非お願いします。
一方で、生産財に関してはお客さまの求める価値はもっと明快です。
「機能がどれだけすぐれているか」ではなく「お客さまをどれだけ儲けさせるか」という
価値が求められるのです。
ある会社ではこれを「お客さまのそろばんをはじく」と表現しています。
-「お客さまのそろばんをはじく」ですか。わかりやすいですね。
このような企業は、利益も出しており、コア技術の向上と顧客価値の向上両方を実現しています。
生産財に関する事例も、生産技術者戦略会議でお話したいと思います。
-楽しみにしています。
ここまで話したことが「技術経営」というもので「技術を価値づくりに結びつける」経営です。
繰り返しになりますが、ポイントは2つあります。
ひとつめは、「いかに、うまく、ものづくりをやるか」です。
プロジェクトマネジメントや、品質、コスト、原価企画、IEなど、これまでも日本能率協会で
教育機会を提供してきたようなことですね。
ふたつめは、「いかに、うまく、価値づくりをやるか」です。
これには2つの切り口があって、ひとつには独自性があるかということ。
ふたつにはお客さまの喜ぶ、あるいはお客さまが儲かる価値をどうつくるか?ということになりますね。
-そうした切り口に生産技術者はどのように関係してくるのでしょうか?
生産技術と生産技術者は、2つの点で非常に重要な役割を果たすと思います。
それに、その2つの点が日本企業の強みでもあると思います。
-この2つのポイントについても生産技術者戦略会議でお話いただきます。こうご期待!!