結果報告 その5
生産技術者には“何を作るのか、それはなぜなのか”の視点も必要です。 |
 |
|
安部武一郎
一般社団法人日本能率協会
|
 |
パネルディスカッションでご講演いただきました株式会社富士ゼロックス株式会社 榊原崇晃さんに日本能率協会 安部武一郎がお話をうかがいました。 これからのものづくりに求められる生産技術者の役割について議論しています!!
--2012年の
生産技術者戦略会議の振り返りを交えながら、生産技術者に求められる役割ついてお聞きしたいと思います。
生産技術者戦略会議では、開催に先立ち出席者全員に隣の方と名刺交換して頂き、戦略会議に来た目的について話をしてもらいました。今回初めての取り組みでしたが、予想以上に盛り上がっている印象を受け大変うれしかったです。
榊原:
私は隣の席の方がたまたま
CPEホルダーの方だったのが印象的でした。名刺交換の際に
CPEホルダーである事が分かったので、その後の話題の中心は
CPEでした。
--戦略会議の場で
CPEが話題に上がる事は、我々も非常にうれいしいです。
今回、
富士ゼロックスの渡部専務のご講演の中に、他部門との連携の話がありましたね。
同じ会社の榊原さんはどのようにお聞きになっていましたか?
榊原:
まず、専務の生産技術の対する考え・想いを聞く、とてもよい機会となりました。
特に印象的に残ったのは、生産技術の役割を3つのフェーズに分けたスライド(考え方)で、
自分が担当するテーマがどのフェーズにあり、次にどこを目指すのかが理解できました。
これは私だけでなく、出席された方にとって参考になったのではないでしょうか。
また、フロントローディングの必要性など日ごろから説いていましたが、それが他部門の連携を強化する手法の1つとは認識をしていませんでした。
--なるほど。
時間の制約でまだまだ話し足りない事もあったと思うのですがよかったです。
富士ゼロックスの部門間連携についての取り組みについてお聞きしてもいいですか?
榊原:
部門間連携の話をすると、弊社には、生産技術、設計、開発部門の中でジョブローテーションを実施する取り組みがあります。
私自身も開発・生産の効率化の為に、自分の前後工程を経験するジョブローテーションは有効な手段だと思います。
また実施に当たっては、会社の全体像を知り、人脈を作る新人と、成果が出せる中堅のどちらの時期にも必要だと感じています。
--幅広い知識が生産技術者には必要、ということもあると思います。
榊原:
そうですね。
生産技術者はT型人材である必要があると思いますね。しかも生産技術の枠にとどまるのではなく、生産技術を専門領域に見立てた幅広い分野のT型人材を目指す必要があると感じています。
--なるほど。
ジョブローテーションによって、新たな共通認識をつくりあげる事も可能ですよね。
例えばお客様を誰に設定するかとか。私自身、商品はお客様に売れた時点で初めて“商品”になると考えています。
つまり、お客様=エンドユーザーという認識ですね。
榊原:
たしかにお客様=エンドユーザーは必須の視点です。
しかし、次工程や営業部門をお客様と捉える場合もあります。お客様を例にしただけでも、様々な設定ができるわけです。認識が異なれば異なるほど、調整業務も増えていきます。スピードアップの点でも、共通の認識作りは、組織間連携の大きな課題だと思います。
--たしかにそうですね。
さて、これからの生産技術者に求められていることとは何でしょうか?
榊原:
私は今まで、生産技術者は生産フォローをしていく職種だと考えていました。
ですが、良い商品を生み出すためには、製品技術(何を作るか)と生産技術(どのように作るか)とを対等に捉え、両立する必要があると感じています。
そのために生産技術者は“どのように作るか”だけでなく、“何を作るのか、それはなぜなのか”を視野に入れる必要があると考えています。
--なるほど。たしかに“なぜ作るのか”の視点はこれから求められそうです。
ありがとうございました。
今後は生産技術者にも価値づくりのために、顧客視点を持つことが求められそうですね。
次回は参加者のみなさんの課題認識やニーズ
などをアンケートから読み取ってみたいと思います。
次回をお楽しみに。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
榊原さんも取得している
「CPE生産技術者マネジメントスキル資格」は生産技術者の価値作りを応援します。
資格取得者はCPEホルダーとして各業界で活躍しています。
CPEはご自身や部下のマネジメントスキルを見える化する唯一の資格です。
今年の試験期間は2013年7月1日(月)~7月31日(水)となります。
この機会に是非CPE公式サイトをご覧下さい。
CPE公式サイト
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━