生産技術者戦略会議

 結果報告 その4

株式会社デンソー原嶋茂さん

生産技術を設計や開発に携わる人たちに紹介したりすることで、価値作りに貢献できると思います

原嶋茂
株式会社デンソー 生産技術部

PALAP事業プロジェクト室
担当次長
(敬称略)
安部武一郎
一般社団法人日本能率協会

特別講演2でご講演いただきました株式会社デンソー原嶋茂さんに日本能率協会 安部武一郎がお話をうかがいました。

2012年の生産技術者戦略会議の振り返りを交えながら、生産技術者に求められる役割ついてお聞きしたいと思います。

生産技術者戦略会議では、開催に先立ち出席者全員に隣の方と名刺交換して頂き、戦略会議に来た目的について話をしてもらいました。今回初めての取り組みでしたが、予想以上に盛り上がっている印象を受け大変うれしかったです。
原嶋:
生産技術者戦略会議のような場所は異業種と交流する良い機会ですよ。
ただ独禁法などの法規制による機密保持を気にするあまり、あまり交流することになれていない方もいるかもしれません。特に若手の中には多いかもしれないです。
-原嶋さんは異業種交流に関してはどのように考えていますか?
原嶋:
異業種交流していくのはいいことですよね。社内に閉じこもるのではなく、生産技術者戦略会議のような外部にでて話を聞くと色々な気づきを得ることができますよ。
-社外も大事ですが、社内での部門間交流についてはなにか取り組まれていらっしゃいますか
原嶋:
本社機能である私たちが事務局になり、生産技術者が活躍している工場を順番に会場とし、全社の生産技術者の代表者が集まって現場見学もしながら情報交換する場を定期的に設けています。
社内の人の繋がりをどう作っていくか意識しています。
-私も多くの企業で、生産技術部門が人の繋がりを意識しているという話を聞きます。
やはり色々な部門の方と連携して仕事を進める必要があるということでしょう。

生産技術者戦略会議の参加者アンケートに「これからの生産技術者の役割についてお聞かせ下さい」という項目を設けました。
そのアンケート回答のなかに“価値づくり”と書かれた回答が非常に多く、ずいぶん傾向が変わってきたと驚きました。

原嶋さんは、生産技術者に求められている役割とはどのようなものとお考えですか?
原嶋:
今現在、弊社の場合だと、生産技術者は様々な制約条件の中から最適解を導き出すことが求められていますね。ただ今後はそれだけではいけないでしょう。
-例えばどのような事が求められていますか?
原嶋:
製品そのものを提案できれば一番いいですよね。でもそこまでできなくても、社内で開発した技術を発表会や展示会で見せるときに、応用事例を必ず示したり、社外で見聞した新しい生産技術を設計や開発に携わる人たちに紹介したりすることで、価値作りに貢献できると思います。
なるほど。
延岡先生の講演の中にも生産技術者による価値づくりについて触れられていましたね。
原嶋:
はい、そうですね。
近年、技術的価値と実際のお客様から見た商品価値が釣り合っていないことがありますよね。陳腐な技術が商品価値を生んだり、高度な技術が全く商品価値を生み出さなかったり・・・。

例えば、中国で売れている宝石を埋め込んだ携帯なんかは技術的には陳腐だけど商品価値としては非常に高かったりします。
その事をどう意識できるかが重要ではないかと思います。
価値のズレも顧客視点にたって考えることによってクリアになってきますよね。
-ありがとうございました。 今後は生産技術者にも価値づくりのために、顧客視点を持つことが求められそうですね。 次回は参加者のみなさんの課題認識やニーズ などをアンケートから読み取ってみたいと思います。
次回をお楽しみに。
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