特別インタビュー(3) その1
「積極的なグローバル拠点展開と
生産技術起点の商品企画、価値創造
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安部武一郎
一般社団法人日本能率協会
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野元伸一郎
日本能率協会
コンサルティング
シニア・コンサルタント (敬称略)
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特別研究セッションの「聴きどころ」を日本能率協会の安部武一郎がインタビューしてきました。コーディネーターの野元伸一郎氏がパネリストから引き出す「これからの生産技術者の役割」の聴きどころをどうぞ!
-特別研究セッションでの聴きどころをうかがっていく1回目です。
今回は資生堂、デンソー、東芝、富士ゼロックスの各社にご登壇いただくわけですが、この企業の中で野元さんが個人的に注目されているのはどちらのお会社でしょうか?面白い話が聞けそうだなというのは。
資生堂さんの事例に注目しています。
-理由はなんでしょう?
資生堂さんは積極的なグローバル展開をされていますよね。グローバル開発拠点を日本だけでなくフランスやアメリ
カに展開されています。
工場も新興国に展開されています。積極的なグローバル展開をしている。
その展開に伴う人材育成、生産技術者の育成、拡大が急務だと思っています。
-なるほど。
今後は中国や新興国に人数が増え、そういう国の文化を研究しつつ、高品質なものを提供することを考えると、
各仕向地のQCDにあった技術開発は急務です。
そういう取り組みを積極的にされている資生堂さんの事例は、生産技術者のみなさんにとって
たくさんのヒントが得られるのではないかと思っています。
-資生堂さんというと一般的にはブランド力があって、マーケティングが上手でという印象がありますが。
確かにそうですが、海外ではグローバルブランドと戦わなくてはいけないわけですよね。そこのところで価値をどうやって作り出していく取組も参考になると思いますね。
私は最近、よくタイに行っているのですが、人件費は日本の1/3~1/5にもかかわらず、日本と同じ値段のiPhoneを買う人がいる。ということを考えると口紅だけでなく、加工組立系でも価値を訴求できればお客さんは買ってくれるということですよね。
たとえば、テレビはコモディティ化しているわけです
が、スマートフォンも、アンドロイドを含め同じような機能があるわけで、コモディティ化していると言えなくはない。けれども、iPhoneを持つステイタスを考えると、そこにお金を出す人はいるわけで、加工組立系にもチャンスがあって、まだまだやれることはたくさんあると思いますね。
-資生堂さんの生産技術の方がやっていることから学べることがありそうですね。
あると思いますよ。「生産技術起点の商品企画」であるとか、「生産技術起点の開発設計への提案」であるとか、そういうところを具体的にどうするのか・・・面白いヒントが聴けるとと思います。
-ありがとうございます。次回は「EMS/ODM/OEMの使いこなしと技術流出」というテーマで特別研究セッションの聴きどころをうかがいます。
生産技術者戦略会議は2012年10月19日開催です。ぜひ、「これからの生産技術者の役割」のディスカッションにご参加ください。